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Research

教科書では学ぶことができない物理がある....
Few masters of energy band calculation learned their methods entirely from books.  キッテル:固体物理学入門'

研究内容

最終更新時間:2014年09月02日 09時12分29秒

  • 物性理論=統計力学+量子力学
  • 計算物性=物性理論+シミュレーション

水分子ダイマーの電子密度分布(卒業生 寺田氏 作成)
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目次

全般

現在, 物質の電気的・磁気的応答の第一原理計算に取り組んでいます.
これまで, 特に「絶縁体」とその電気的性質である「誘電性」に注目して研究をおこなってきました.
(水の固体である氷も電気双極子モーメントを持つ誘電性を示す絶縁体です)
研究手法は物性理論、その中でも密度汎関数法・バンド理論に基づく第一原理電子状態計算法です。
物理学会の物性分科では「バンド計算」で通じる研究手法です。

物性理論, 第一原理電子状態計算のプログラム開発と応用

OpenMX, HiLAPW, FLEUR

現象・性質

磁性

誘電性

交差相関物性

  • 電気磁気効果
  • 熱電効果
  • 電池

物質系

  • マルチフェロイクス
  • 遷移金属酸化物(固体, 人工超格子)
  • 有機物強誘電体

手法

  • 第一原理電子状態計算(バンド計算)
    • 擬ポテンシャルー局在基底法 [OpenMX code]
    • 全電子FLAPW法 [HiLAPW code]
  • ベリー位相の方法

バンド計算

キッテルの固体物理学入門の第6版(私が学部生の頃, 1990年代に売られていた)にはこう書いてあります

エネルギーバンド計算の名人は, そのやり方を本からだけで学んだわけではない. 
バンド計算は経験によって学ばれる技術である. しばしば協同作業によって発展させられ, 
コンピューターを駆使することが必要になる. 
WignerとSeitzは1933年に最初の意味のあるバンド計算を行なった. 
彼らは当時の手動計算機を用いて一つの波動関数に対して1日の午後を費やし, すべてで数日を要したと語っている. 
最新のコンピューターは, このような骨折りからわれわれを救ってくれる.
しかし, 問題の定式化には非常な注意が必要であるし, 計算のプログラムも初等的ではない. 

バンド計算のやり方は, 昔は研究室でその研究室に代々伝わる門外不出のプログラムを何年もかけて先輩や先生から教わるだけでしたが,
パソコンとインターネットが凄まじい勢いでこれらの環境を変えました.
今ではプログラムは, webサイトからダウンロードできますし, linuxのリポジトリにも含まれるほどです.
また, インターネットで多くのバンド計算に関する経験が共有されています.
しかし, 研究室単位では已然として, 相互に協力し, 経験を共有することが大事です.
もちろん、研究内容によっては全て独りでもできますが、情報は共有した方がより効率的です.
(ちなみにキッテル固体物理学入門の第8版では、上記で引用した最初の三行はなくなっています)

下記に原著の英文も載せておきます。

Few masters of energy band calculation learned their methods entirely from books. 
Band calculation is craft learned by experience, often developed in groups, and needing 
access to computers. Wigner and Seitz, who performed the first serious band calculations in 1933, 
refer to afternoons spent on the manual desk calculators of those days, using one afternoons for a 
trial wavefunction. Modern computers have eased the pain. However, the formulation of the problem
requires great care, and the computer programs are not trivial.

モンテカルロ計算

研究に関連する教科書など

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最終更新時間:2014年09月02日 09時12分29秒